2024-01-01から1年間の記事一覧
自分を変えたい、新しい自分に生まれ変わりたいと思う事がよくある。 勇気を奮って一歩踏み出してはみるが、付け焼刃ではなかなかうまくいかない・・・ 大学1年の春、講義室で学科の友人達が「合ハイ」の話をしていた。昨今の「合コン」と違って、当時は合…
二学期の終業式の日だったろうか。生徒たちも帰宅して、久々にほっとした雰囲気が職員室に流れた。すきま風の吹き込む職員室で、私を含めた何人かの職員が、ストーブの周りでお茶を飲みながら話をしていた。すると一人が、「そうだKさん、ギターを弾いてよ」と…
赤いスーツを着た女性は、ステージ端に立ち報告を始めた。私は仕事で会場の設営に来ただけなのだが、仕方なくホール最前列の隅に座った。彼女は事件について報告し、「何らかの対処をしなければならない!」と強く訴えた。「意見を願います!」と再度呼びか…
1978年1月、聖堂の中は寒かった。しかも、普段ですら多いとは言えない聴衆が、今日はことのほか少ない。7~8人ほどだろうか。広い聖堂がいよいよ寒々と感じられた。 つい二週間前には、ここでクリスマスミサが開かれたばかりだ。当日は沢山の参加者で…
バイトが終わるのはいつも夜の12時過ぎだった。ボーイ用の蝶ネクタイを外し、ワイシャツの上にジャンパーを着ると、そのまま店の外にあるバイクにまたがった。 深夜にもかかわらずネオン街は明るく、酔客の喧噪に溢れている。店からバイクで15分も走れば…
先日、高須クリニック院長の高須氏が自家用ヘリに救援物資を積み込み、石川の被災地を訪問したとの書き込みを見た。彼は「今は被災地に行く時ではない。行くならば、衣食住の一切で自立して、現地の足を引っ張らない様にしろ」 と言っている。その言葉は至極当…
テレビ画面に映る能登の被災風景は、過去に何度も見た辛い景色だ。倒壊した家屋、津波に打ち上げられた車、行列に並ぶ被災者・・・それは大船渡や人吉の被災地で見た、そして熊本地震に見舞われた自分の街で体験した風景そのものだ。 (画像:NHKニュースよ…
大学2年の夏、私はナイトクラブでボーイのバイトを始めた。店は広島市の繁華街にある会員制の高級クラブで、ロングドレスを着た数名のホステスとマスター、そしてボーイが数名だけの落ち着いた雰囲気の店だった。室内には東郷青児の絵が何枚も飾ってあった…