ノスタルジー千夜一夜

失敗と後悔と懺悔の記録(草野徹平日記)

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

別冊⑯(家族編)父のくれた手袋

父は数年前に亡くなった。酒好きだった父のために仏壇に酒を供え、父といろんな話をする。 生前、父と私は会話の少ない親子だった。 亡くなってからの方が、会話が増えたかも知れない。今、とても父に会いたい。 ・・・・・・・・・・・・・ 「寒うなかか?…

別冊⑮(青春編)ヒーローへの憧れ・・・永遠の少年、両津勘吉

鉄人28号、鉄腕アトム、エイトマン、ビッグX、サイボーグ009・・・小学生の頃、私はアニメや漫画に夢中だった。当時はキング、サンデー、マガジンなどの漫画週刊誌が相次いで創刊された頃で、定価60円位だったろうか。菓子パンが30円くらいの時代に60円は…

別冊⑭(平和運動編)平和をどう作るか・・・知覧にて

特攻平和会館の展示物は、戦争の悲惨さを語るのか、それとも悲劇の英雄たちを称賛するのか、それを確かめたくて10年ぶりに知覧を訪れた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「軍備増強を!」 「敵基地への先制攻撃を!」ウクライナ侵攻以降、勇まし…

別冊⑬(平和運動編)知覧特攻平和会館での疑問・・・英霊達の憂い

あんまり緑が美しい。今日これから死にいくことすら忘れてしまいそうだ。真青な空 ぽかんと浮かぶ白い雲 6月の知覧はもうセミの声がして夏を思わせる。・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先の文章は、22歳で特攻に飛び立った兵士が残した文章だ。初めて…

第49夜 花の下にて春死なん(理想の死に方を求めて)

五木の子守歌の後半の歌詞は、野垂れ死にの歌だ。それは私の望む死に方でもある。------------ おどんが うっちんねえば 道ばちゃ いけろ通る人ごち 花あぎゅい (私が死んだら 道端に埋めろ) (通る人ごとに 花を供えるだろう) 親父はこの歌…

第48夜 被爆の日に②・その後の少年達

(ジョー・オダネル氏撮影) 少年は涙を見せなかった。彼は泣かないほど、強かったのだろうか。それとも泣けないほど、多くのものを抱えていたのだろうか。 いろんな事を想像する。「家」に戻れば瀕死の家族がいて、泣いてる余裕もなく看病をしなければなら…

第47夜 被爆の日に①・戦場の子ども達

(山端庸介氏撮影) 何歳だろう。3,4歳くらいだろうか?顔中に傷を作り、防空ずきんの下には包帯のようなものも見える。大切なおにぎりを手に、無表情にカメラを見つめている。この幼い目は、被爆の地でどんな景色を見てきたのだろう。 80年代、被爆記録…

第46夜 2011年・被災地(東北)にて②・・・ボランティアの意味

被災地へ支援に行ったつもりだったのに、私は被災者に励まされて現地を発った。---------------- 最終日の作業はアパート室内の清掃だ。2階建ての建物はそんなに丈夫そうには見えないが、津波に見舞われながらもしっかりと建っていた。屋内…